
- ドレンからの雨漏りの原因と対処法はどんなものがあるの?
- そもそもドレンってどんなもの?
「ドレン」という言葉を聞いた事があるでしょうか?
雨漏りは、しばしばこのドレン周りのトラブルが原因で起こる事があります。
ドレンは建物の排水機能においてとても重要な役割を持っています。
そのため、不具合が起きた場合に、無視することはできません。
ドレン周りにゴミが溜まって排水がうまくされない事や、ドレン自体にヒビが入り、その隙間から雨漏りするなどが代表的な例です。
そこで本記事では以下をテーマに解説をしていきます。
- そもそもドレンとはなにか
- どういった機能を持っているのか
- ドレン周りで雨漏りが発生する原因と対処法
ドレンが原因と思われる雨漏りが発生した際は是非参考にして頂ければと思います。
本記事の執筆者
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そもそも「ドレン」とは?なぜ雨漏りの原因になるの?
ドレンとは
ドレンとは、「排水口」の事をいいます。
ビルや住宅の屋上やバルコニーに、下記の画像のようなものを見つける事があると思います。

これがドレンと呼ばれるものです。
元々は、英語のドレイン(drain)が語源で、ドレインには排水を流しだす口(排水口)という意味があります。
建築業界においては、このように屋上やバルコニーなどに設置されている排水口のことを、ドレンやドレーンと呼ぶ事が一般的です。
ドレンはその意味の通り、水を適切に排水させたり、ストレーナーと呼ばれる蓋が付いており、これによって、詰まりの原因となる異物を配管に流さないよう受け止める役割を持ちます。
しかし、ドレンにトラブルが起こると、水を適切に排水できなくなったり、雨漏りの原因となったりします。
ドレンの「詰まり」が雨漏りの原因になる
ドレンのトラブルでよく起こるのが、「詰まり」です。
建物の至る所に設置されているドレンですが、特に屋上やバルコニー、ベランダなど、外部にある排水ドレンには、外から来るホコリやゴミなどの異物が溜まりやすい状態にあります。
それでは、なぜドレンの詰まりが雨漏りの原因になるのでしょうか?
特に陸屋根やバルコニーなどにおいては、この排水ドレンが、全ての雨水を排水する役割を持っています。
この排水ドレンが詰まってしまうと、適切に雨水が排水されず、プールのように水が溜まってしまいます。
陸屋根やバルコニーには通常、防水処理がなされていますが、この防水は水を溜めておけるようにはなっておらず、防水層の劣化した部分から水が侵入してしまい、雨漏りの原因となります。
また、排水ドレンは、ほとんどの場合、鉄製の材料を用いているものが多いです。
排水ドレンが詰まりを起こし、水が溜まっている状態を放置しておくと、サビが発生し、劣化しやすい状態となります。
ドレンが劣化し、防水層との継ぎ目に隙間ができたり、ドレン自体にヒビが入ったり破損してしまうと、それが雨漏りの原因となってしまいます。
そして、溜まった砂埃を放置していると、泥が溜まってしまい、雑草が生える原因になります。
この状態を放置していると、陸屋根やバルコニーの防水層を痛めてしまいます。
ドレンの「詰まり」の原因となるもの
外部に設置されているドレンの詰まりの原因となるものは様々です。
ほとんどの場合では、飛んできた枯れ葉や、ビニールなどのゴミ、土などが、ドレン周りに蓄積されていきます。

また、ドレン周りにゴミが溜まっていなくても、気づかないうちに排水管の中に土や砂が詰まっている場合もあります。
稀に床や壁に使用されているモルタル材などが、雨で流れ出て詰まってしまうケースもあります。
ドレンをこまめに掃除しゴミのない状態を保っているという方はあまり多くはないのではないでしょうか?
しかし、ドレンが詰まらないようにするにはこまめな掃除が大事です。
配管の中にゴミが流れ込んでしまわないよう、 ドレンの蓋であるストレーナーを外してゴミなどを取り除いておくことが大切といえます。?
ただし、ドレン周りのゴミを取り除いても雨水の排水が適切にされない場合はすでに配管が詰まってしまっている場合があります。
このような場合は、無理に水で流したり、配管のゴミを取り除こうとしたりはせず、専門業者に早めに連絡することをお勧めします。
ドレンの防水機能の劣化による雨漏り

ドレンの経年劣化
ドレンは基本的に金属でできています。?
そのため、雨水にさらされたり経年によってサビが発生し様々なトラブルを引き起こします。
防水層が劣化していなくてもドレンが劣化することで、防水層とのつなぎ目部分が剥離して隙間ができ、雨漏りにつながるケースも少なくありません。
防水の改修工事では、防水層部分をしっかり施工していても防水層の端末部分やドレン周りの施工不良が原因で、ドレンが劣化しやすくなり雨漏りに繋がるケースがあります。
こうなってしまうとせっかくの改修工事が無駄になってしまうため、注意が必要です。
また、排水口周りは、水が集まる場所であるため、脆くなりやすく、日々の建物の揺れや、気候の変化などによって、ヒビが入ったり、割れたりしやすい場所でもあります。
そうしたトラブルを放置してしまうと、雨漏りが起こってしまいます。
雨漏りの修理には「改修ドレン」を使うことが多い
ドレンには、縦型ドレンと横引きドレンがありますが、トラブルを起こしやすいのは横引きドレンである場合が多いです。
縦型ドレン、横引きドレンにはそれぞれメリット・デメリットがありますが、これからドレンを取り付ける・交換するのであれば排水効率でいえば縦型ドレンをおすすめします。
床がそのまま広く使えるなど、横引きドレンにはメリットもあり、ドレン下での排水の計画などに合わせて選ばれることがあります。
しかし、排水方法が複雑になればなるほど、雨漏りの可能性もあがります。
排水設備は、いかに漏水や雨漏りを防ぐかということが重要になるため、可能であれば縦型ドレンを選ぶ事が好ましいと言えます。
それでは、ドレンが劣化してきてトラブルを起こすようになってしまったら交換するしかないのか?
でもそれって、大掛かりな工事になるんじゃ・・・?
そんなことはありません。
もちろんドレンそのものを交換してしまう場合はありますが、多くの場合では、改修ドレンというものを使用します。
改修ドレンとは、既存のドレンに被せて、劣化した部分をそっくりカバーし、その部分に防水材を塗布して使用します。
上から防水材を塗ることで床部分の防水層との密着性を確保します。
さらに改修ドレンは、強化ホース部分もセットになっていてそれを通して直接配管に排水させることで、防水層の耐久性を維持させることもできます。
基本的には改修用ドレンは防水工事とセットで考える必要があります。
雨漏りが発生したらドレンを交換しよう
実はドレンをそっくり交換してしまうケースというのはそう多くはありません。
Googleでルーフドレンの交換について調べてみてもほとんど改修ドレンを使用した補修工事についてヒットします。
大抵の場合は、ドレン部分が劣化してしまっていても、配管自体が生きていれば、強化ホース付きの改修ドレンで配管に適切に水を流してやる事ができます。
そして、改修ドレンそのものは防水層に守られているため、防水層をしっかり維持できていれば、交換の必要がほとんどありません。
しかし、改修用ドレンにもデメリットがあります。
それは、改修ドレンの強化ホースは、既存のドレン菅より経の小さいものを上から差し込んで使用するため、設置する場所の状況によっては詰まりやすくなることもあることです。
改修用ドレンが既に設置されている場合は、以下のように施工します。
- 改修用ドレンと、既存ドレンを撤去し、配管パイプに新たなドレンを接続する
※このパイプとの取り付け部は、雨漏りの原因になることがあるため、シーリング処理などをしっかり施しておく必要がある - ドレン廻りを補修、補修材が乾燥したあと、ドレン周辺にメッシュシートを貼り補強する
- ウレタン防水材などを塗布し防水層を形成し、トップコート塗布をしたら施工完了
改修ドレンを使用した方が良いか?ドレンを交換した方がいいのか?についてのことや、実際の施工内容などについては、依頼する専門業者と綿密な打ち合わせが必要です。
なお、依頼する専門業者の選び方は下記の記事を参考にして頂ければと思います。
屋根修理業者はどこに頼むのが良いのか?プロの目線で屋根修理業者の選び方を解説。業者選びに失敗するとぼったくりにあう可能性もあるので注意点もあわせて紹介。屋根を修理したいと思っている方は参考にどうぞ。
前述した、配管とのつなぎ目の処理や、防水の施工については、業者によって仕上がりが異なる場合もありますし、新たな施工が雨漏りの原因となってしまうこともあります。
せっかく改修工事をしたのに、雨漏りしてしまっては意味がありません。
既存の状況にあった施工方法を選択し、雨漏りトラブルを解決しましょう。
まとめ

今回はドレン周りで発生する雨漏りの原因と対処法について見てきました。
排水ドレンは、水が集まる所でもあるため、雨漏りの原因が起こりやすい部分です。
こまめなメンテナンスを行い、劣化を最小限に食い止めることが非常に重要と言えます。
また、ドレン単体のみを改修しても、他の要因が新たに起こり、雨漏りしてしまうこともあります。
基本的にドレンを改修する場合は、既存の防水の改修工事とセットで考えることが大事です。
それぞれの状況に応じた適切な対応が必要になってきますので、もしお困りの際はお気軽にリペアルーフにお問い合わせください。
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