あるとき、ふと家の天井を見上げてみたら、今までなかった大きなシミができているのを見つけた経験はありませんか?
- 「天井にシミができているのを見つけたけど、どこかで雨漏りでもしてるのかな…」
- 「シミ抜きはどうやってやるんだろう…。しばらく放っておいても大丈夫かな…」
そんな疑問を持った人もいるでしょう。
シミができる原因として、最も危惧しなければならないのが「雨漏り」です。
特に雨が降った後にシミができていた場合、雨漏りの可能性が高く、早めに修理しなければ被害が広がってしまいます。
しかしシミの発生は、雨漏り以外にも様々な原因が考えられます。
なので、原因を特定したうえで対処しなければ、解決には至らないので、しっかりと調査する必要があります。
また、シミ抜きの方法も、仕上げ材の種類やシミの広がり具合によって異なるため、どのような方法が望ましいか、前もって知っておくと良いでしょう。
そこで本記事では、ビル管理会社に10年以上勤務し、様々な修繕工事を経験した執筆者が、シミを発見した場合の対処方法を知りたい人へ向けて、雨漏りによるシミの見分け方とシミの抜き方や弊害について解説していきます。
- T.F
- ビル管理会社に10年以上勤務
- 内装工事が特に得意
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天井のシミが雨漏りが原因か見分ける方法
まず始めに、天井のシミが雨漏りによるものなのか、その他の原因によるものなのか、見分ける方法をまとめます。
雨漏りが原因である場合の特徴
シミの原因が雨漏りかどうか突き止めるためには、まず以下のポイントを確認してください。
- 雨が降った後にシミができていた
- 雨が降った後に水が垂れてきたのを確認した
- シミの箇所はエアコンなどの設備の付近ではなかった
- シミの箇所は屋根の真下だった
- シミの広がり方はジワジワと滲み出るような状態だった
- 漏れてきた水が無臭だった
- 水道料金に変化はなかった
上記のいずれかに該当する場合、雨漏りが原因である可能性が高いです。
特に重要なのは、雨が降っているときと降った後の状況確認です。
後ほど解説しますが、雨漏りの調査を実施する場合、晴れている日に行っても雨漏りの箇所を完全に特定できない場合があります。
実際に漏れている状況を見るのが、もっとも確実な方法なので、ご自身で状況を確認し、可能であれば写真や動画などにおさめておくことをおすすめします。
雨漏り以外で天井にシミができる主な原因
それでは、雨漏り以外でシミが発生するのはどのような原因が考えられるのでしょうか?
主な原因は以下の通りです。
- 天井内の結露
- 上階の水道管からの漏水
- 上階のキッチンや浴室からの漏水
- エアコンからの漏水
- 動物の尿
いずれの原因も、築年数が経過している住宅ですと、起こり得る現象です。
特に雨が降っていないときにシミができているのを見つけた場合、これらの原因を疑ったほうが良いでしょう。
天井に点検口などが設置されていれば、内部を覗くことによって漏れている箇所を発見できることもあります。
ただし、天井が高所だったり、電気配線が通っていたりする場合は危険を伴うので、無理せず専門業者に頼みましょう。
シミの原因がわからない場合は専門業者に見てもらおう
ここまで、天井のシミの原因が雨漏りである場合、雨漏り以外の場合、それぞれの特徴を紹介してきました。
しかし、自己判断はリスクを伴ううえ、修理は素人の手では困難です。
わからない場合は迷わずに、専門業者へ調査を依頼しましょう。
特に築年数が経過している住宅の場合、専門的な知識と技術を用いなければ漏水箇所の特定は不可能に近いです。
また雨漏りの場合、漏水箇所が複数に渡っている場合もあり、1箇所を修理しても他の箇所から漏れてくることもありえます。
執筆者自身も経験がありますが、雨漏りしている箇所を修理したところ、その部分は漏れなくなりましたが、今度は違う箇所から漏水するようになったことがあります。
そして再度修理を行ったところ、また違う箇所から漏水した・・・、というふうに雨漏りと修理が連続してしまう場合もあります。
雨漏りの調査に関しても、晴れている日でははっきりとした原因の特定が難しい場合があり、雨が降っているときの状況を見るのがもっとも確実な方法です。
そのため、上記で解説した通り、住宅で雨漏りが見つかった場合は、どこから漏れているのか、ご自身の目で状況を把握しておくことをおすすめします。
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雨漏りによりできた天井のシミ抜き方法
次に雨漏りによって天井のシミができてしまった場合の、シミ抜きの方法を紹介します。
まずは雨漏りを修理しよう
雨漏りによるシミを直すためには、まず雨漏りを修理しなければなりません。
シミ抜きを行い見た目を綺麗にしたところで、雨漏りが再発すれば、雨水が天井に滲み出てきて再びシミができてしまうからです。
しかし雨漏りは簡単に修理できるものではありませんので、専門業者へ依頼が必要です。
費用はかかりますが、放置していても自然には直りませんし、シミも広がってしまいます。
なお、新築住宅の場合、10年以内に発生した雨漏りは「瑕疵担保責任法」により無償対応となります。
詳しくは建築したハウスメーカーなどへ問い合わせてみてください。
仕上げ材がクロスの場合の対処方法
雨漏りの修理が完了したら、天井のシミ抜きに着手しましょう。
シミ抜きは仕上げ材の種類によって方法が異なりますが、代表的な素材であるクロスの場合を説明します。
清掃すれば消えるんじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、一度できてしまったシミ汚れを綺麗に落とすのは大変です。
シミは臭いの原因やカビの発生にも繋がりますので、多くの場合、クロスの張替えが望ましいです。
クロスの張り替えは、シミの付着した部分のクロスを剥がし、新しいクロスに糊をつけて張るという手順で行います。
一見簡単そうに思えますが、綺麗に仕上げないと張り替えた箇所だけ目立ったり、シワができたり、切れ目が見えたり、みっともない状態になってしまいます。
場所や範囲にもよりますが、技術力を要する作業ですので、信頼のおける専門業者へ依頼することをおすすめします。
木材にシミが発生した場合の対処方法
木造住宅の屋根裏や柱部分などの木材にシミができてしまった場合も、清掃で落とすのは困難なので、塗装や交換が必要です。
シミのできた木材を放置し、腐食してしまうと後で説明する二次被害にも繋がりますので、早めの対応を心がけましょう。
木材のシミは軽度なものであれば、塗装を施すことにより綺麗な状態に戻せます。
しかし、木材そのものが劣化していると、塗装で見た目を綺麗にしても根本的な解決にはなりません。
木材の劣化は、建物の耐震性や耐久性の低下に繋がりますので、軽視してはいけません。
木材のシミを直したい場合、木材がどの程度傷んでいるか、状態をしっかりと確認することが重要です。
そのうえで木材の劣化、あるいはカビの発生などが見受けられる場合は、塗装だけで直そうとせず、専門業者に依頼して劣化部分の木材の交換の手配をしましょう。
雨漏りでできたシミを放置したときに起こる弊害
それでは雨漏りを放置してしまった場合、どのような弊害が起こるのでしょうか。
具体的な例を以下にまとめます。
シミが広がり修復が困難になってしまう
天井の雨漏りが続けば、雨水の流れ込む範囲が拡大し、シミも広がってしまいます。
シミが広がれば、その分だけクロスの張替えや塗装で修復する範囲も大きくなりますので、修復に掛かる時間や費用が増加します。
また、雨漏りを放置していると、徐々に状況が悪化して、一度の雨で漏水する量が増えてしまうこともあります。
すると天井から雨水が滴り落ち、壁や床までシミが広がり、天井の修復だけでは収まらなくなります。
シミの修復は、時間が経てば立つほど困難になり、時間も費用も掛かることをあらかじめ把握しておきましょう。
カビやシロアリなどの二次被害が発生する
カビやシロアリの発生などの二次被害も懸念しなければならない点です。
カビは湿気を好みますので、屋根裏など狭い空間で漏水していると、繁殖しやすい状況となります。
また、カビは見た目を悪くするだけでなく、アレルギー反応による皮膚炎や、ぜんそくを起こす原因となり、住んでいる人の健康にも悪影響を及ぼしますので注意しなければなりません。
シロアリも雨漏りが原因で発生することが多いです。
湿った木材を好む性質があるため、雨水が流入し住宅の木材を湿らせると、シロアリの温床となってしまいます。
シロアリは一度発生すると、根絶するのが難しく、最悪の場合、リフォーム工事を行わないと改善できなくなってしまいます。
結果的に雨漏りの修理費用より、ずっと高額な費用が掛かりますので、早めの対処が望ましいです。
木材が腐食し建物の耐久性が低下する
雨漏りにより木材が湿気を含むと、しだいに腐食していきます。
木材が腐食すると、建物の耐久性が低下しますので、地震などの災害に対しても弱くなってしまいます。
さらに木材の腐食がひどくなると、天井が抜け落ちたり、住宅が傾いたり、目に見える被害が発生することもあります。
こうした状況に陥ると、安全性の低い住宅と認定され、住宅の資産価値が著しく低下しますので、将来的に住宅の売却を検討している人にとって、大きな痛手となってしまいます。
雨漏りによるシミを見つけた場合は早めの対処が必要
雨漏りによる天井のシミの見分け方、シミ抜きの方法、放置した場合の弊害を説明してきました。
ここまで読んでいただいた人は理解できたかと思いますが、雨漏りによるシミを見つけた場合、早めに対処することが重要です。
雨漏りの調査や修理は専門業者へ依頼しなければならず、費用は掛かりますが、放置した場合の二次被害を考えれば、多少の負担はしかたがないと考えましょう。
また、ご自身でも雨が降ったとき、降った後のシミの広がり具合、雨水が垂れている箇所などを、よく確認するようにしてください。
雨漏りの箇所を特定するためには、雨が降っているときの状況を確認するのが、一番の近道だからです。
専門業者へ調査を依頼する場合においても、実際に雨が降っているときの状況がわかると、スムーズに進めやすくなります。
まとめ
最後に天井のシミを見つけた場合に、心がけておきたいポイントをまとめます。
- シミの状態を見て、雨漏りが原因となっていないか確認すること。
- 雨漏りの疑いがある場合は専門業者に調査、修理を依頼すること。
- シミ抜きは雨漏りの修理が完了した後に行うこと。
- できるだけ早めに対応すること。
以上の内容を心がけ、適切な処理をして、雨漏りによる被害を最小限におさめましょう。
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