- 「鉄骨造の建物で雨漏りが起こったけど、原因がわからない」
- 「雨漏りを修理したいし、応急処置はどうすればいいだろう?」
鉄骨造(S造ともいいます)の建物で発生する雨漏りは、主に以下のような原因があり、非常に厄介なものが多いです。
- 鉄骨と建物の取り合いや接合部からの雨漏り
- 鉄骨の腐食など
また、他の建築構造と違い、鉄骨などの鉄部が露出している部分も多く、雨漏りに早く対処しないと建物の劣化等が気になってしまいます。
なので、鉄骨造の特徴や、雨漏りの原因・修理はどうすればいいのかを理解することで、厄介な鉄骨造の雨漏りに素早く対応できるようにしておきたいものです。
そこで本記事では、
について詳しく解説していきます。本記事の執筆者
お電話すぐに対応いたします。
そもそも鉄骨造の建物とは?その特徴から考えられる雨漏りの原因を紹介
鉄骨造の特徴とは?
鉄骨造はS造とも呼ばれ、柱や梁など建物の骨組みに鉄骨を使用した構造のことを言います。
使用される材料によって種類があり、鋼材の厚さが6ミリ以上のものを「重量鉄骨造」、6ミリ未満のものを「軽量鉄骨造」と呼びます。
主に高層ビルや高層マンションなどの大型建築物に採用されている
一般住宅や小規模店舗などで用いられる場合が多い
鉄骨造は強度や耐震性に優れているなどの特徴がありますが、経年劣化により鉄骨が腐食してしまったり結合部に不具合があると雨漏りや漏水の原因となります。
一度雨漏りや漏水が起きると、湿気でさらに鉄骨を腐食してしまうなど悪循環になってしまい、建物に悪影響を及ぼしてしまいます。
また、後述しますが、鉄骨造は外壁から雨水が進入すると、建物内部に直接雨漏りの症状が起きやすい構造でもあります。
鉄骨造の建物で雨漏りや漏水を発見した場合、迅速かつ適切な対応が求められるといえるでしょう。
鉄骨造で雨漏りが起こるとどうなる?
最初にお伝えしたように鉄骨造では建物の柱や梁などに鉄骨が使用されています。
雨水が侵入して鉄骨が湿気にさらされてしまうと鉄骨が錆びたり腐食してしまい、建物の耐久性を下げてしまうことになります。
また、鉄骨造の建物でよく使われる「ALC板」が外壁材として使われている場合、二次防水が存在しません。
後述のALC板の目地の劣化により雨水が進入してしまうと、建物内部に直接、雨漏りの症状が現れてしまいます。
このように鉄骨造は雨漏りによる影響が大きい構造のため、素早い対応が鍵となります。
鉄骨造で起こる雨漏りの様々な原因
それでは、鉄骨造ではどのような原因で雨漏りが発生するのか見ていきましょう。
外壁がALC建材の場合の目地部からの雨漏り
鉄骨造の建物には壁材として「ALCパネル」が使われることが多いです。
ALC板は外力に弱く、水を吸い込みやすいという弱点を持っています。
そのため、この弱点が外壁にALC板を使用した鉄骨造の雨漏りの原因として関係していることが多いです。
具体的にいうと、ALC外壁の鉄骨造の建物の雨漏りの原因として多いものの一つがALC板の板間目地からの雨水の侵入です。
ALC板は外部からの止水を、目地のシーリングと塗装に頼っておりこの部分が劣化してしまうと、簡単に雨水が浸入してしまいます。
鉄骨造では、基本的に二次防水という概念がないため、一次防水である目地シーリングに不具合が起こり水が入ってしまうと、そのまま雨漏りということになってしまいます。
ALC外壁のみに関わらず、建物の目地部分は常に外部に晒されているため、外力や天候の影響を受けやすく、塗装が剥がれてしまったり、シーリングが切れてしまったりなど、劣化しやすい部分といえます。
そのため、定期的に劣化具合を確認することが好ましいです。
また、ALC板自体も、前述のように外力に弱いという弱点を持っているため、経年劣化により建物の動きに追従できず、ひび割れが起きたりすると、雨水が進入する原因となります。
鉄骨の腐食による雨漏り
鉄骨が腐食してくると、外壁などとの取り合い部に隙間が生じてきたり鉄骨に穴が開いてしまい、その部分から水が浸入してしまうことがあります。
こうした水の侵入がさらに鉄骨のサビや腐食を進行させ、建物の耐久性を下げてしまうという悪循環に陥ってしまいます。
鉄骨は腐食が進行すると手遅れとなり、鉄骨が折れて落下したり、床や天井の抜け落ちなどの原因となるため、定期的なメンテナンスやサビや腐食の確認が重要です。
鉄骨と建材との取り合いからの雨漏り
前述のような錆や腐食のある・ないに関わらず、建材と鉄骨との取り合い部は隙間が生じやすい部分です。
通常は、塗装やシーリングが施工され、止水対策をされている場合がほとんどですが、施工不良や、経年により塗装の剥がれやシーリングが切れたりすると、雨漏りの原因になりやすいです。
鉄骨造で雨漏りが起こった場合、鉄骨と建材との取り合いや継ぎ目はよく確認しなければならない部分の一つであると言えます。
屋上からの雨漏り
鉄骨造のみに関わらず屋上部分に起因する雨漏りには様々な原因が考えられます。
陸屋根の場合の屋上には「ドレン」という、雨水の排水口があります。
しかし、このドレンにトラブルがあると、屋上の雨水がうまく排水されず、雨漏りの原因となります。
その他にも大きな原因として考えられるのは屋上防水の劣化です。
これも鉄骨造のみにかかわらず建物の雨漏りの原因としてよく挙げられますね。
経年劣化により屋上の防水層が切れてしまうことで防水機能が低下し雨水が浸入してしまいます。
屋上防水には耐用年数があるため、定期的なメンテナンスをし屋上の防水機能を維持する必要があります。
鉄骨造の建物で雨漏りが発生したら?修理するにはどうすれば良い?
鉄骨造の雨漏り修理の例
最後に、鉄骨造の雨漏り修理方法をいくつか紹介します。
シーリングの打ち替え(ALC外壁・サッシ廻り)
AlC板外壁の場合、外壁の目地のシーリングの塗装が劣化してしまっていたりシーリング自体が切れたりしていることで雨漏りの原因となっていることが多いです。
また、サッシの周りの止水処理もシーリングに頼っているため、シーリングが劣化してしまっている場合は打ち替えが必要となります。
古いシーリングを打ち替える工程は、以下の通りです。
鉄骨の腐食の原因となる「錆」対策
修理というよりは対策になってしまいますが、鉄骨が腐食し強度が下がったり穴が開いたりしてしまうのを未然に防ぐため鉄骨の錆対策をしておくことも効果的です。
鉄骨の錆対策をするには、錆止めを塗り上塗りで仕上げます。
錆止めを塗る前に表面のゴミや古い塗装を綺麗にしておくケレンという作業も必要になります。
工程をまとめると以下の通りです。
屋上防水の改修
屋上防水の改修は大規模な工事となります。
既存防水の上から新しい防水層を施工することがほとんどの場合だと思いますが、しっかりと現場調査を行い適切な方法を選択することが重要です。
また、屋上防水の種類には、コストを抑えられ、施工がしやすいウレタン防水や、シート防水などがあります。
鉄骨造の雨漏り修理は自分で出来る?
シーリングの打ち替えや、鉄骨の錆止め塗装などは工程もシンプルで材料や道具もホームセンターで揃えることができるため、自分で施工することも可能であると言えます。
しかし、工程がシンプルと言ってもやはり素人の施工ではシーリングに空気が入ってしまい止水効果が低くなってしまったり、塗装がすぐに剥がれてしまったりなどということが起こります。
また、屋上防水に関しては、規模が大きく道具や材料を自分でそろえるのも困難なため、大抵の場合専門業者に相談を依頼することが必要となります。
まとめ
今回は鉄骨造で発生する雨漏りの原因と修理方法について解説をしてきました。
おさらいすると主な発生原因と修理方法は下記の通りです。
- 外壁がALC建材の場合の目地部からの雨漏り
- 鉄骨の腐食による雨漏り
- 鉄骨と建材との取り合いからの雨漏り
- 屋上からの雨漏り
- シーリングの打ち替え(ALC外壁・サッシ廻り)
- 鉄骨の腐食の原因となる「錆」対策
- 屋上防水の改修
雨漏りが発生した場合は、自分で修理すると考えるよりは専門業者へ依頼した方が良いでしょう。
リペアルーフでは、無料で相談を承っていますので、雨漏りでお困りの方は是非一度お問い合わせください。
お電話すぐに対応いたします。