
- 瓦葺きの屋根から雨漏りが起きたけど、どうやって修理すればいいの…?
- 家庭で修理できない範囲は、頼れる専門の業者に任せたい…
昨今、新築建売で瓦葺きの住宅を見かけることも少なくなってきました。
とはいえ、瓦は他の建築資材に比べて頑健であり、何十年も使い続ける住宅にはもってこいです。
しかし、いくら瓦が頑健とはいっても、消耗品である以上、定期的なメンテナンス・修理は必要です。
「瓦の修理やメンテナンスなんて、大変そう…」と思われる方も多いと思いますが、ご安心ください。
本記事では、瓦屋根から雨漏りを起こした時の原因の特定に始まり、メンテナンス方法やご家庭でも出来るDIYをご紹介します。
- T・K
- 住宅改修工事従事者
- 経験年数9年
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瓦屋根から雨漏り!修理する前に確認しておきたいこと

瓦屋根から雨漏りが発生した場合、焦る気持ちは分かりますが、まずは一呼吸置いて冷静に対処しましょう。
1. まずは原因を特定しよう
まずは原因の特定です。
ご家庭で行える範囲には限界がありますが、屋内外から目視で確認ができるケースもあります。
屋内では、どこからどう雨漏りをしているのか、屋外ではどの部分に問題がありそうか、ある程度検討を付けておくことが大切です。
業者に依頼して修理するとしても、窓口であらかじめ情報を伝えておけばスムーズに着工できます。
それでは次に、瓦屋根から雨漏りを起こす代表的な例を3つ挙げたうえで、それぞれ業者に依頼した場合どのような修理が必要となるか見ていきましょう。
2. 瓦のずれ・ひび割れ
最もメジャーな雨漏りの原因が、瓦のずれやひび割れです。
通常、瓦の下には防水シートが張られており、さらに下には家を構築する部材が入っています。
瓦がずれたりひび割れたりする原因は以下のように様々です。
- 大雪や台風、地震といった天災
- 新築・改修工事を行った際に職工が誤って踏みつけた
修理方法は比較的簡単であり、割れたりずれたりした瓦のみ取り換える、もしくは瓦のひび割れに合わせてコーキング剤を充填する、等で対策が可能です。
当然、長期間にわたって放置すると、ずれたり割れたりした箇所から雨水が侵入し防水シートを腐らせ、部材に深刻なダメージを与えてしまいます。
そうなると瓦の交換だけではなく、住宅の根幹から修理しなければいけなくなるため修理費が高額になってしまいます。
3. 棟瓦の歪み
棟瓦とは、屋根の一番上部に位置する一直線の瓦のことで、屋根の中心を為す重要な部材です。
強風や地震など大きな力が加わることでこの棟瓦がずれたり歪んだりすると、そこから雨水が侵入し雨漏りの原因となります。
修理方法としては、棟瓦を支える漆喰や葺き土を取り除いたうえで下地を調整し、新たに棟瓦を積みなおします。
棟瓦は住宅の頂上に位置しているため、一見すると目視では分かりにくい場合があります。
特に異常が見当たらないのに、なぜか雨漏りが止まない、と思ったら棟瓦に異常が生じているケースが多いでしょう。
4. 漆喰材や屋根土の経年劣化
上述した棟瓦と瓦の間には、漆喰と呼ばれる材料が用いられています。
この漆喰材が、長い年月雨や風の影響を受けることで経年劣化し、ひび割れや剥離がを起こします。
ひび割れたり剥がれたりすれば当然そこから雨水が侵入してくるため、これが雨漏りの原因となります。
また、昔ながらの工法で建築された住宅では、屋根瓦の下に大量の屋根土が葺かれています。
この屋根土が経年により減少すると、屋根土の下にある部材に雨水が侵入するようになってしまい、雨漏りを引き起こします。
漆喰材の劣化に関しては、劣化部分の漆喰を取り除いたうえで新たに漆喰を詰め直すことで修理が可能です。
屋根土の葺き替えは少々大がかりの工事になりますが、瓦を一度撤去したうえで減少した屋根土を葺きなおします。
また、工法そのものを変更し、屋根土から防水シートに変更するといった方法も存在します。
瓦屋根からの雨漏りを防ぐ方法

この項では、瓦屋根からの雨漏りを防ぐために是非やっておきたいメンテナンスの方法についてご紹介します。
1. 時期に合わせたメンテンナンスを
屋根瓦をはじめ、住宅を構成する部材は基本的に消耗品です。
瓦は部材の中でも堅牢なつくりをしていますが、それでも長年雨風に晒されれば経年劣化は免れません。
雨漏りの原因が目視で確認できる範囲に留まっていればメンテナンスの基準も分かり易いですが、素人がぱっと見ただけではどこに問題があるのか分からないこともしばしばあります。
そのためひとつの指標として、築年数ごとに見ておきたいポイントと、住宅に起こりうる不備についてまとめました。
順番に見ていきましょう。
2. 施工から10年後
経年劣化により、漆喰材が剥離する可能性があります。
とはいえ、大雪や大雨、台風、地震などの顕著な自然災害に見舞われていない限りは、この時点ではメンテナンスの必要性は薄いといえるでしょう。
悪天続きで耐久性に不安を感じた場合は、一度目視で確認するか、業者に依頼して点検してもらうのが良いでしょう。
3. 施工から20年後
20年が経過すると、さすがに瓦や漆喰材にダメージが蓄積していることが予想されるので、一度メンテナンスを行うことを推奨します。
具体的には、瓦のずれや割れなどが起こりやすくなってくるのがこの時期です。
たとえ不備が見当たらなくても、20年も経過すればさすがに部材が経年劣化しているため、古い瓦を取り換えて備えておくというのも一つの考え方です。
4. 施工から30年以上
瓦のずれや割れに加え、そこから侵入した雨水によって防水シートの劣化が始まります。
本格的に雨漏りを起こすのはこの時期であることが多く、できる限り早くメンテナンスを行った方が良いでしょう。
状態によっては、屋根土の葺き替えや棟瓦の総入れ替えなども視野に入ってきます。
大規模改修が必要になる場合もあるため、雨漏りの有無に関わらず一度見てもらった方が無難です。
5. DIYでも瓦屋根を修理できる!

ここまで記事をお読みになった方の中には、「屋根瓦の雨漏り原因や修理方法は分かったけれど、いちいち業者を呼ぶのでは費用がかさむ…」と考えている方も多いのではないでしょうか。
実は、簡単なものであれば屋根瓦の修理はご家庭のDIYでも十分可能です。
方法別にみていきましょう。
まずは瓦の割れてしまった箇所を雑巾などで綺麗に拭き、テープが張り付きやすいように下地を作ります。
次に、ひびに沿ってテープを2~3回重ねて張ります。
瓦が外れるようであれば外し、下地材のチェックを行います。もし下地材が痛んでいるようであれば、これもテープで補強します。
まずは割れた瓦を取り外し、ひびがしっかりと埋まるようにパテ処理を行います。
ひびからはみ出た分のパテについては、雑巾等でふき取ってきれいに仕上げます。
瓦の裏側から銅板を添え、補強した後指定の位置に戻します。
パテ処理と同じ要領で、割れた瓦のひびにコーキング剤を充填します。
そのままだと意味が無いので、ヘラ等を使ってコーキング剤を平滑にならします。
不備を放置すると大規模改修が必要になる場合も
たとえば屋根瓦の日々から雨漏りが始まったとして、これを放置するとどうなるのでしょうか。
雨漏りが起きるということは、本来入ってはいけない部分に雨水が侵入していることの証拠です。
これを放置していれば、住宅の基本的な構造を担う部材にダメージが蓄積してしまい、最終的には雨漏りの修理だけでは済まなくなります。
場合によっては、一度住居を移して工事をしなければならないくらいの大規模改修が必要になることもあります。
まとめ

本記事では、瓦屋根の雨漏りと、その修理方法についてご説明しました。
最後に要点をまとめたので、順番にみていきましょう。
- 業者を呼ぶ前に、まずは目視できる範囲で原因を特定しよう
- 築年数によってメンテナンスするかどうかを考えよう
- 簡単な修理なら自分で出来る
- 長期間放置すると大規模改修が必要になる
イレギュラーが発生して焦る気持ちは分かりますが、手順を守ってしっかりと対処すれば問題ありません。
お電話すぐに対応いたします。